タイトル ムームの決意(後編)

過去の話はそんなところだろう。

その後、鳥人族と人間の戦争が起こり
冒険の途中に左目を失い。
村を都市に建て替えて、ガーディアンになり
竜王様から鳥人族の世話を任される。

世界を壊したがるカンナとの争いも終わり
今は戦いで残った爪痕を片付けている。

一難去ってまた一難、そしてその一難が去ってまたまた
一難と呼ぶに相応しい手紙が
テーブルの上に無造作に置かれている。

この手紙の内容は、単刀直入に言うと
故郷に帰ってこい!と大臣に言われているようなものだ。

細かく言えば
行かざるを得ない脅しが書かれていた。

その点から見ても予測されるが。

両親の無事どころか情報を
記されていないところから
大臣の心はまだ狂っているかもしれない。

「もしや、単に書き漏れとか?」

いや、そんなことはない。

つい悪く捉えてしまうのは
昔から大臣のことが嫌いだからだろう。

何にせよ、動かないことには真実はわからない。

それにもう一つ気になることがある。
それは、僕がガーディアンになった年に世話人からの手紙が途絶えてしまったということ。

故郷に帰れば何かわかるかもしれない。

だけど行くのが恐い。
過去の記憶を思い出す度に怯えてしまう。
全てを也に話して知ってしまった結果。
クリスやギロメ…皆で行こうと提案してくれた。

とりあえず、故郷の様子を確認するだけ。
必ずここへ皆で帰ることを約束して。
僕達のシルバーウィークの予定が決まった。

也の説明のもとで彼らも同意してくれたという連絡がきた。
もう、これで引き下がることはできない。
僕の大切な友人達として
故郷へ案内しよう。

争いにならないことを強く願って
シルバーウィーク前夜、今まで世話人がくれた手紙を集めて読み返した。
お花に関する情報が実に細かく記されていた。
「うーん、やっぱりお花は大好きだぁ」
心を癒してくれる。

ペシュには皆で旅行に行くということだけ
伝えている。

そして、その時がやってきた。

リアル歴 2015年9月19日
「みんな揃ったね」

朝の太陽が顔を出すか出さないかくらいの時刻に
僕を入れた4人の男女が海の彼方を見つめる。

エンタシスが遠ざかっていく…そこよりも遥か東の方向にアガ・ハイロという大陸がある。
そう、そこが僕の故郷がある大陸だ。

場所は、世話人が最後にくれた手紙に記されていた。
こういう日がいずれ訪れることを知っていたかのように感じた。

僕は武器を持たない、このメンバーが集ったのは
武器を隠し持てる要素があるからかもしれない。
也はそういうところはよく把握しているだろう。

「少人数の方が良い、ライトゲートの消費魔力が変わるからな」
船に揺さぶられながらクリスは笑った。
「今もライトゲートで行けばいいんじゃねぇか?」
いちいち船に乗る必要はないと言うギロメにクリスは呆れたが
也がわかりやすく説明してくれた。
「サモが知らない場所にはワープできないよ」
馬鹿にせずに也は淡々とそう言った。
ギロメのアホっぷりは嫌いじゃない。
時と場合によれば腹立つこともあるけどね。
僕の故郷がどんなところだろうか…とか
話をしている内に、船から到着のベルが鳴った。

地面に足をつけると、そこから見える僕の故郷に誰もが唖然とした。
「ここが本当に…君の故郷なのか?昔の話とは似ても似つかないな」
「凄い場所…だね」
子供達の笑い声が港からでも微かに聞こえてくる。
「どこまで広いんだ…おい」
目の前の街だけでなく,
海以外の視界が僕のお城の国旗で埋められていた。
案内所から地図を見せてもらうと
大陸の3分の2が僕の故郷の領域になっていた。

これは、どういうことだろう?

「お待ちしておりましたムンガルト王子」
いやはや懸命な方ですなぁと話しているのは
人ではなく、港に備え付けてあるスピーカーからの音だった。
どこかで見られいるのだろうか?
キョロキョロと辺りを見渡すがわからなかった。

きっとこの声の持ち主と大臣はイコールで繋がっている。
昔から聞き覚えがある声だった。

「おや?お連れ様はご遠慮くださいと手紙に記したはずですが?」
うん、確かに一人で来るようには書いていた。
やはり僕一人で行くべきだったのか。
「まぁ…遥々異大陸から来ていただいたご友人を手土産なしで帰らすのも大臣としては恥なのでご一緒にお越し下さい」
「…………?」
あっさりと承諾を得てしまったことにクリスはスピーカーを見つめる。

「そういうもんなのか?」
ギロメも続けて、疑問を口にする。
「さぁ、手土産ってところが気になるよね、本当は複数で来るのがわかっていたみたい」
也も矛盾に首を傾げた。

僕の過去の話の所為か、皆が大臣のことを怪しんだ。
もちろん、その中に僕も含まれていた。

その後、案内人がお城まで誘導してくれる。
街並みを眺めながら進んでいく。
賑やかな風景だが、一つだけ皆が確信できたことがある。
それは、奥の方で隔離はされているものの、奴隷の喚き声が微かに聞こえてくる。
ということは、まだ強制労働は続いている。
それと同時に大臣は…まだ心が狂っているのだろう。

争いになるかもと誰もが息を飲んだ。

招かれた王宮、街の音をかき消すクラシックメロディー。
雰囲気がガラっと変わった。
僕にとっては懐かしい空気だ。

リビングには何十人もの兵士が壁に沿って立っていて
テーブルには5人分の豪華な料理が並べられていた。
一番奥の椅子に大臣が座っていた。
「お帰りなさいませ王子、そして、ようこそ王子のご友人方」
人の数だけの握手が音楽の雑音として響いた。

とりあえず皆と僕は用意された椅子に腰を下ろす。
「大臣…えと、た…だいま」
「王子、この日を心よりお待ちしておりました」
特に怒った様子はなく、笑顔で迎えてくれた。

「今まで、この城を任せっきりで大変だっただろう?」

あれ程の言葉をのせた手紙だ。
きっと辛い想いをさせていたのだろう。

「そんなことはありません、兵士や市民、そしてあなたのご両親と皆で力を合わせましたので」

その言葉に、少し心が痛む。

そう、ここまで領地を増やすことは並大抵の者ではできない、きっと…大きなお金と人の支え故だろう。
それを望まない人達もいただろうな。

「僕がここを出たことを僕本人が謝罪すれば両親や世話人を許し処罰は受けない…だったよね?」

そう、僕がくれば、過去に僕を逃がした大切な人達が助かる。
その手紙の言葉で僕は…いや僕達は動いたんだ。

「ええ…いかにも、そういうお約束ですので」

流石は王子と、一人で感動し拍手する。

「!?」
「!?」
「!?」

ふと、也達3人は大臣の表情の変化に驚いた。
僕は、なぜだろうかそれを平然と見ていた。
「?」
「どうなされましたかな?王子」

「いや…それならいい」

また、いつも通りの大臣に戻った。

「あなたの言うとおり、あなたの両親と世話人には手を下していませんぞ…それより」
「なんだい?」
「左目は…どうしたのですか?」
「あ…ああこれのことかい」

話題にでなければ言わないで置こうと思っていたけれど
よく考えれば気にならない方が可笑しいか。

左目を左手で優しく隠して…。
「これは、昔に戦争で怪我してしまって…」
「そこにいる友人達は見ていたのですか?ムンガルト様が傷ついたところを」

「いや…ここにいるみんなはその時の現場はいなかったよ」
知っているのは、この傷を負わせた者とその者の家族。
嘘は何一つついていない。

「そうですか、いやぁー相変わらず王子はお優しい」
またもや、余計な拍手が送られる。

パン!

最後に叩く拍手が
何かの合図のように強く感じた。

すると、兵士の槍が一斉に僕以外の3人に向けられた。
「なんの真似だ!大臣」

テーブルを叩き大臣を睨みつけた。
「ちょうど若い人材が必要だったところです」
「まさか、ここで働かせる気なのかい!」
「はは、王子、恐い冗談はおやめてください。王子の傷を放置した者を奴隷など」
さらっと奴隷という言葉を放つ大臣は
笑顔だが、でもまた少し違う雰囲気を出していた。

「放置なんて…治しようがなかったんだ!命があったのも奇跡なくらいだというのに」

「言い訳は無用、友人A、B、Cに問います、生きますか?それとも死にますか?」

生きたいのならここで働けという意味だと
ここにいる全員は捉えた。

「ざけんじゃねぇよ!クソジジイ」
今まで黙っていたギロメがキレだした。
怒るのも当然だ、逆に今まで黙ってて偉いぞ、ギロメ。

「どうしてこうなってしまったのか…仕方ない、ここは一旦帰ろうムー」
またもや淡々と僕に意見を仰ぐ也。
怒ったというよりは、無表情だ。
でも、大臣の戯言にうんざりしている様に感じた。
「也…」

「あ…帰ったらサイダー奢るように」
いつものクリスらしい(笑)

誰もが大臣の圧力に劣っていない、勇ましい僕の頼れる戦友たちだ。
つい、大臣の睨みつけを解き、笑みを返してしまった。
「ははは、舐められたものですね、今まで私の思い通りにならなかったことは一度もないというのに」

そんなこと知るか!!と誰かがツッコミを入れることもなく
帰り支度の会話が始まった。

「ライトゲートは周囲2Mだ!さぁ、この光の輪に入るがいい」
大臣の言葉はクラシックメロディーにかき消され、クリスは無駄な時間だったと苦笑いして呪文を唱えた。
「…あれ?」
「ふふふ、あははは、魔術師さんがいたとは、準備した甲斐があった」
大臣が空間に魔術無力化する装置を発動していた。
「でもこれで逃げれないだろう」

パンパン!!

二回の強い拍手が
兵士達に何か指示した。

兵士たちは林檎の木から果実を狩るかのように僕以外の全員を強制的に誘導していく。

抵抗することなく、皆は大人しく連れて行かれた。
戦わない…のか。
最後まで視線が合わない彼らを
僕は…ただ、見送った。


「問いかけは後に追いかけてするとしよう」
「………」

バタンと大扉が閉まる。
僕と大臣の二人を置いて
虚しくクラシックメロディーが鳴る。
僕の所為だ…このまま帰れなかったら、僕は。
「王子、上に立つ者は常にいらない果実は早めに切り捨てるのも大事な仕事ですぞ」
しかし、料理一つとして手をつけないとは…と、もったいない、もったいない
そうブツブツ文句を言い出して料理を口に入れ込む。

おそらく、毒入りかもと思ったんだろう。

「僕は…」
「ずっとここにいればいいのですよ」

ムシャムシャ モグモグ クチャクチャ

大臣は美味しそうに食べながら
昔の話を語る。

本当か?と疑いたくなるような
努力論を。

その後、ご両親と世話人が待っていますと続けて、昔の私室に案内された。

どの箇所を見ても掃除が行き届いている、昔と何一つ変わらない。
僕のことを想っているのは伝わった。
でも、本当に僕だけ…だった。

「部屋の再会はここまでにして、次はご両親と世話人ですな」
そう言うと、また違う部屋に…いや違う、ここは庭園だ。
多くの花が咲き、その中心に知っている姿があった。

世話人だ。

「…やぁ」

世話人が僕の存在に気づき笑みをくれた。
「大きくなったね…君がここにきてくれるのを待っていた」
待っていた?追い出した癖に。
少しばかり睨んだ。
「そうだね、ごめん、僕が言うことじゃないな」
一人で来たんだねと確認する世話人に対して心が痛んだ。
「………」
「大臣?」
「いやはや、手紙にはそう記したのですが王子がどうしてもと…」
あっさり承諾したんじゃないか!
「何人?」
「3人」
「死…もしくは奴隷の希望者?」
「そんな訳ないだろう!!」
「だよね…とても残念だ」
世話人はとても悲しい顔をした。
「…っく!!」
世話人のその言葉で確信した、兵士達は全員殺す気だ。
そう思った瞬間、僕は逆方向に走り出した。

世話人視点。

「お待ちなさい王子!」
遠ざかるムンガルトに目をやる大臣
僕がここにきてやることは初めから決まっていた。
「いつもながらやること…酷いよ大臣…でもご苦労様」

ドッ!
背後から心臓に向かってナイフを突き刺した。

「ぐああああああ!!」
「ムンガルトも大臣もは僕を許さなくていいから」
「き…貴様、何を」
飛び散る血は赤い花を描くように
僕の服にも飛び散った。
僕も狂っているのだろうか
その光景は美しくも感じた。
倒れる大臣に優しくこう言った。
「国を治めるには…相応しくなかったね」

表情も崩れ落ちる大臣を睨みつけ
聞こえているか、聞こえていないか
わからないけれど…言おう。

「ムンガルトがこの国を治めるべきだ」

ムンガルト視点

はぁはぁ…一体どこまでつれて行かれた?
城中をあちこち調べて進んでいるというのにいない
「まさか…あの隔離された、奴隷がいると推測されていた場所とか?あそこなら有り得る」
「いや有り得ないから」
ポンと背後から肩を叩くのは…クリスだ。
「クリス!?」
「その様子じゃ、私たちがなんの為に誘導を受け入れたかわかっていないな」
君と大臣の二人で話してほしいかったからさ…とクリスは少し馬鹿にして言った。
「気を遣ってくれてありがとう、ということは皆、大丈夫だよね」
「ふむ…それは私にもわからん、だが宛はある、言っておくが…」
「わかってる、あそこは有り得ないでしょ?」
「さっき地下牢で音がした…案内頼む」
「ああ」
二人は下の階段を目指して進んで行った。

そこには錆び付いた鉄の匂いと汗臭い匂いが混ざって
何ともいえない匂いに鼻を押さえた。

「オラァ!!」
ドゴ ブン ゴッ ガン
クラシックの届かないここには
効果音で賄っていた。

「ぐはっ!」
「ぎゃぁあ!」
「ぬうおぉ!!」

兵士たちが次々にやられていく。

「よし!ギロメは無事そうだ、次行こう!」
クリスは振り返り、急いで地下牢脱出を僕に提案した。
「うん…よかった無事で」
僕もつられて上の階段を…。
「あ?その声はムーとクリス!って俺がいるってわかったんならここから出せー!!」
どうやら檻の中にいるようだ。
まぁ、初めから知っていたが(笑)

ダンダンダンダンダン

牢屋を揺さぶる音が激しく聞こえる。
「…はぁ、仕方ないな、私はここで待っている」
「はははは」
僕はギロメを拾いに、また臭い地下牢へ入っていった。

さぁ、三人が揃ったところで
残りは也だ。
二人は無事だったんだから無事に決まっている。
「よし!あそこを探そう!」
「え?もう決めちゃうのかい?」
「間違いねぇよ…アイツはドMだからな」
「ギロメまで!!」

そして僕達は城を抜けて、隔離施設を目指した。

也視点

どうして?
どうしてこんな酷いことを毎日させているんだろう。
嘆きと悲鳴が止まない空間に私は誘導された。

こんなのいい国だと言わない。
外見はよくても、中身は最悪だ。
「也…今の俺達じゃどうしようもできねぇ、こいつら気絶させて帰るぞ」
心の中からディアスの声が聞こえる。
「そうだ…ね」
なんでだろう、帰りたいはずなのに…。
ディアスが瞬速で周りの兵士を気絶させて、追ってが来ていない内にと合図をくれたが
私に訴えては泣き出してしまった女性の姿に足が止まる。
「………也?」
ディアスの声が聞こえても身体が思うように動かない。
そのままムチ打たれる人たちを見つめていた。

「私たちの何がいけないというの?」
こんなにも一生懸命働いているのに
生活もろくにできない雀の涙ほどのお金しかくれない。
「私をここから出してください」
「いや…俺が!」
「僕が働いた歴長いから僕だ!」
強制労働されていた市民が私に手を差し伸べてきた。
「あ…ああ」
もう何をどうしたらいいのかわからないと頭を悩ませていた時
仕事を与える指導者は怒りながらこう言った。

「この者を奴隷として扱えるなら、一人ここから出ることを許可する」
え…私が奴隷? それで一人助かる。
「それなら私と変わってください」
「い、いいや俺と」
「僕とだ!」
「え…ええ、どうしようディアス?」
心の内に問いかけた。
「逃げる以外ないだろうがぁ!!」
「…ご、ごめんなさい!!」
その言葉を最後に隔離施設を飛び出した。

それからは、無事にサモ達と合流。
街では魔術が使えるので
ライトゲートで即座に撤退した。

ムンガルト視点

あの日から二日が明けた。
リアル歴9月21日
僕は20日の日にずっと悩み続けた。
僕は王子、だから僕のいるべき場所は…
「……っく!」
ここじゃないと思ってしまう度に心が痛む。
ここでいいんだ、ペシュを守る使命はまだある。
ガーディアンとしても期待されていると思う。
ここにいて良い理由はいっぱい…いっぱいある。
帰りたくはない、もう両親もいる、世話人もいる
今まで離れていた僕は…。
「いらない子だろう」
「ムーさん?」
はっと振り向くとペシュが不安そうに見ていた。
「昨日ご飯、全然食べなかったんだね」

故郷からここへ戻ってきてから
ラップしていた食事に手をかけることはなかった。
「あ…ごめん、すぐ行くから、先行って待っててくれるかい?」
「ムーさん、ずるいですよ、そう言って昨日は一度もリビングに降りてきてくれないじゃないですかぁ」
う…そうだったかも。
「…ごめん」
一人にしておいてと布団に包まり背中を向けた。
「………下でいい子にして待ってます」
扉が優しく閉ざされた。
本当に優しい子だと、心の中で感謝した。

僕はいつまでこうしているのだろう。
ふと空気を入れ換えようと窓を開けると
風に乗った手紙と花束が入ってきた。
きっと…世話人だ。

そうに違いないと手紙を開いた。

僕は…その手紙から決断を下す勇気をもらった。

トントントントン

階段を下りる音がリズミカルになる。
「あ、ムーさ…」
テーブルに二人分の料理を並べて待っていた。
「ごめんペシュ!ちょっと出かけてくる」
「え…ええー!?」
「帰ったら、ちゃんと食べるから、その時に全部話するから…ね♪」
「あ…あう?」
僕はペシュに説明する間もなく家を飛び出した。

僕が向かう先はガーディアン本部
そこで僕は…ガーディアンを辞める。
その理由も竜王様やシオンさんに全部説明した。
竜王様は笑って認めてくれて契約を破棄した。
これで僕は普通の人間だ。
これからお世話になった多くの戦友、仲間達にお礼を言わないといけない。
いや…言いたいんだ、僕の気持ちを花束にできるなら一人残らず贈れたらと思う。

全てが終わるのに夜までかかった。
明日の朝…僕はエンタシスを出る。
家に帰って、ペシュを説得した頃には日付が変わっていたが
最後には笑って見送ってくれた。

僕の仲間達は本当に心の強い人ばかりだ。
本当に出会えて良かったと思う。
帰ったら両親と世話人と協力して大臣を辞退させて
国をやり直そう。
僕には狂った心に打ち勝つ意思と仲間たちの想いがある。

船は僕を乗せて進んでいく。
港から見送る也やクリス・ケイム・レイカ・ギロメ・満・モニカ・僕の隊を引き継いでくれる子達・そして…ペシュ。
他にも多くのお世話になった人達が手を振ってくれた。

その姿が消えるまで僕も手を振り続けた。  END

 





  

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